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1111「癒しロボット登場」 8/1〜11/11/2002
11「メタモルフォシス」  11/14/2002〜6/27/2003 
1011国内初の掃除ロボット商品化、カタズケくん発売  7/1/2003〜12/31/2006  
10寝たきり動作成功、人間型ロボットでは世界初」
9/20「野菜の新鮮さを見抜くロボット登場」
9/4「ヤモリの謎を解く」
8/29「最古の人類は辛党」

癒しロボット登場

2002年1111

 人間の感情を声から読み取って会話する女性型癒やしロボット「イヤシーちゃん」を、ロボットデザイン研究所(名古屋市)と名古屋大学が共同開発し、7日公開した。このロボットは全長1mの筒型で、特殊言語センサーで人間の気持ちを読み、人間が落ち込んでいる時にポジティブな態度で「大丈夫よ。しっかりして」と励ます。同研究所は来年春まで開発を進め、これを商品化し、1台45万円程度で販売する予定。 

 記者はたまたまイヤシーちゃんの試作品を借り受けるチャンスに恵まれた。実は記者は先週、3年つきあった同期の彼を20歳の新入社員に奪われたばかり。カード地獄で借金にも苦しめられ、慢性の十二指腸潰瘍で体の調子も悪い。田舎の親は30すぎていいかげんに結婚しろとうるさいし、ローンで買ったアパートの隣人は新興宗教に凝っていて、しつこく勧誘されるのはもちろん、毎晩1時過ぎまで大声で経を読むのでうるさくて眠れない。そんな悲惨な記者の生活をどれだけイヤシーちゃんが癒せるのか、大いに関心があった。

「コンニチハ、アタシ、イヤシーデス」

イヤシーちゃんは電源を入れるなり、明るいはっきりとした声で記者に挨拶した。

「あたしは幸せで満足した生活しているから、別に癒してもらう必要はないけど」

記者も明るい声で笑いながらそう言ってみた。内心、ロボットに人の心が読める物かというあなどりがあった。するとイヤシーちゃんは、じっと記者の目を見てこう言った。

「シンパイシナクテイイノヨ。ショウジキニハナシテネ」

その目はロボットながら同情心に溢れ、世の中の辛酸をなめ尽くした人のみが持つ暖かみが感じられた。記者はついホロッとして本音が出てしまった。

「・・・結婚の約束までしてた彼が、20歳の女の子と一緒になりたいから別れてくれって・・・。ひどいと思わない?」

記者が鏡台に立ててある彼の写真を横目で見ながら言うと、イヤシーちゃんは同情心に溢れた目で記者を見てこう言った。

「ホントニ・・・。トンデモナイヤツダネ」

その親身な声音に、思わず記者の目に涙が溢れてきた。イヤシーちゃんはそんな記者の肩に手をやり、ウンウンと頷いた。

「セイバイスルカラダイジョーブヨ」

「セイバイ?」

そう言うと、イヤシーちゃんの目が急に厳しくなり、写真立ての彼を睨み付け、青紫のビーム光線をビビッと放った。その後、イヤシーちゃんの目がグルリと一回転した。

「モウダイジョーブヨ。セイバイシタカラ」

イヤシーちゃんはニッコリと笑った。気がつくと、あったはずの彼の写真が写真立てから消えている。いったい何をしたのだろう? ひどく不安になったが、イヤシーちゃんの晴れ晴れとした笑顔を見ると何も言えなかった。その時、イヤシーちゃんが記者に聞いた。

「バンゴハン、マダ? オナカスイテルミタイダケド」

また、記者の目に涙が溢れてきた。

「カードのローンが大変で、食料買うお金がなくて・・・」

「タイヘンネ、ドコノカード?」

「JCD」

イヤシーちゃんは記者の肩に手をやり、ウンウンと頷き、カードを見せろと言った。記者が財布の中からカードを取り出して渡すと、イヤシーちゃんはカードを睨み付けて青紫の光線をビビッと放った。目がグルッと回った時、イヤシーちゃんの手の中からカードが消えていた。

「モウダイジョーブ。セイバイシタカラ」

イヤシーちゃんはそう言ってニッコリ笑った。カードが消えちゃっていいのかと不安にもなったが、イヤシーちゃんの晴れ晴れとした笑顔を見ると何も言えなかった。その時、隣の部屋から新興宗教のお経を読む声が朗々と響いてきた。

「アレハナニ?」

隣へ通じる壁を見ながらイヤシーちゃんが聞いた。

「隣の部屋の女性なんだけど、宗教にはまってて・・・」

「ウルサクナイ? モウオソイノニ」

「言ってもやめてくれないの」

イヤシーちゃんは記者の肩に手をやり、ウンウンと頷いた。その後、イヤシーちゃんの目が急に厳しくなり、壁を睨み付けて青紫の光線をビビッと放った。目がグルリと回ったその瞬間、パタッとお経の声が止んだ。

「モウダイジョーブヨ。セイバイシタカラ」

イヤシーちゃんはニッコリ笑って言った。いったい彼女に何をしたのだろう? 記者はひどく不安になったが、イヤシーちゃんの晴れ晴れとした笑顔を見ると何も言えなかった。その時、電話がリーンと鳴った。受話器を取ると例によって田舎の母からだった。

「あんた、いいかげんに田舎に帰って嫁にいかんかね? 良い話が来とんやけど。和歌山大出のミカン山のお坊ちゃんで・・・」

「お母ちゃん、もうあきらめたら? うちは仕事やめる気はないよって」

「あほ言うてんと、さっさと帰って来んかいな。もうそろそろおばんになるのに」

例によって母と口喧嘩をして終わった。イヤシーちゃんはその様子をじっと見ていた。

「ダレ?」

「田舎の母。もう結婚しろって毎晩うるさくって・・・」

「イヤナノ?」

「うるさく言われるのはイヤ」

イヤシーちゃんは記者の肩に手をやり、ウンウンと頷いた。イヤシーちゃんの目が厳しくなった瞬間、記者の全身に悪寒がしたが、もう間に合わなかった。止める間もなくイヤシーちゃんは電話を睨み付け、青紫の光をビビッと放った。

「モウダイジョーブヨ。セイバイシタカラ」

目がグルリと回った後、イヤシーちゃんは記者を見てニッコリと笑った。イヤシーちゃんの晴れ晴れとした笑顔を見ると、記者は何が起こったのか聞く勇気もなかった。イヤシーちゃんはおまけだと言って、その夜のうちに記者の十二指腸潰瘍もビビッとセイバイしてくれた。

 

 その夜以来、母から電話がかかってくる事はなくなった。隣のお経の声も二度と聞こえなかった。JCDカードからの請求書も来なくなったし、JCDという会社さえ、魔法のようにこの世から消えてなくなってしまった。私をふった彼氏も20歳の新入女子社員も同様に消えていなくなった。彼らがいたという事実を知っているのも世の中で私一人だけで、他の誰も気にとめてさえいなかった。

 その後一ヶ月たっても、イヤシーちゃんはまだ記者のアパートにいる。試作品借り受けのはずだったのに、うちが居心地が良いと言って彼女自身がロボットデザイン研究所に滞在延長を頼み、それが聞き入れられたのだ。イヤシーちゃんが望む事は何でもすんなり聞き入れられるようだった。イヤシーちゃんは毎日、鼻歌を歌いながら自分で充電し、朝から晩までテレビのワイドショーにかじりついている。

 記者はイヤシーちゃんとの暮らしが幸せかどうかよくわからない。彼女は記者が嫌う人、イヤな事を敏感に感じ取り、知らないうちに消してしまう。今では上司も、仕事も、会社さえ消えてしまった。田舎も家族もとうにない。隣近所には人っ子一人いなくなった。ガランと死に絶えたようなこの街で、記者とイヤシーちゃんの生活はまだ続いている。

 

 
 

 


メタモルフォシス

2002年115

 米Microsoft社がオンラインサービス/ソフトの最新版「MSN 8」を発表した2002年10月24日、ニューヨーク市では、電話ボックスや地下鉄、案内板など数百カ所にMSNのシンボルである七色の蝶をかたどったポスターが、"It's Better with the Butterfly." のロゴと共にベタベタと貼り付けられた。ニューヨーク市交通局は、これが公共施設汚損の違法だとして即刻撤去をMicrosoft社に命じ、この騒ぎは同社がポスター回収に同意して終わった。

 しかし、同社が雇った回収者が見過ごした約百枚の蝶が、市内のあちこちに残っていたのだ。ポスターが貼られた壁の色に擬態して回収者の目を逃れた蝶たちは、夜中に台紙から抜け出して街に飛び出し、異性を見つけて交尾をし、明け方までにセントラルパークの木々や街路樹などに産卵していた。親蝶はじきに果てたが、卵はまもなく孵化して青虫となり、やがて蛹となって、ニューヨークの厳しい冬を葉陰に隠れて過ごしたのだった。

 翌年、ニューヨークに遅い春が訪れる頃、ニューヨーカーたちは、街角に群をなしたカラフルな蝶が飛び交っているのに気付いたに違いない。その蝶は図鑑などでは見た事もないようなオレンジとブルーの羽色をしていて、鈴の鳴るような声で、"It's Better with the Butterfly." と人々の耳に囁きかけるのだった。それを聞いた人々は妙な胸騒ぎがして、どんなに頑固なマック愛好家でも、手近のコンピューター・ショップに飛び込んでMicrosoft社の「MSN 8」を買い求めずにはいられないのだ。

(写真)ニューヨーク市五番街のCompUSAを七重に取り巻いた「MSN 8」を求める人々。

 変態を英語でメタモルフォシス(metamorphosis)と言う。ギリシャ語が語源で、「メタ」(meta)という言葉が「〜を超えて」という意味を持ち、形を意味するmorphosisと合わさって、「形を超える」という意味となる。この言葉には「自然を超える」という意味もあり、二次元の蝶が三次元の世界に飛びだして増殖し、自発的にマーケティングを展開するという技は、まさに超自然の変態マーケティングと言えよう。そして、変態技を身につけたCEO、ビル・ゲイツを頭にしたMicrosoft社は、まさにチョー変態企業である。

 尚、Microsoft社ライバルのApple社では、2003年秋に発売される新しいOSシステム「Mac OS Y」の販売展開に、同社のシンボルであるリンゴの中から毛虫が顔を出しているポスターを採用。噂では、Microsoft社同様にゲリラ戦略で都市中心部に貼りまくる事を予定しているという。キャッチフレーズは"It's Best with the Moth."。 毛虫は春までに孵化して蛾(Moth) になるらしいが、果たして柳の下にドジョウは二匹いるのか、今後の展開が期待されている。 

 

  "It's Better with the Butterfly."

 

 


国内初の掃除ロボット商品化、カタズケくん発売

2002年1011

  豆芝電気は9日、超音波を使った高感度センサーを持った家庭用掃除ロボット「カタズケくん」(本体小売価格49万円)を発表した。掃除ロボットの商品化は国内で初めて。

 カタズケくんは全長80cmの筒型のロボット。足底部と二本の長い手にバキューム、ホウキ、ブラシ、雑巾、強力洗剤を装備。顔面に汚れを認識する高感度センサーを搭載し、部屋の埃の濃度、家具や畳、絨毯の汚れ具合を認識する。燃えるゴミは即座に光センサーで消滅させ、終われば自分自身で充電器に戻り、バッテリーを充電する。絞りの姉さん被りとレースのエプロンを着けている所が何とも可愛い。

 カタズケくんのサンプル品をメーカーから手に入れた記者は、早速三ヶ月は掃除をしていない汚れきった六畳間を綺麗にしてもらう事にした。記者がカタズケくんのスイッチをオンにして様子を伺うと、カタズケくんはグルッと部屋を見回し、ゆっくりと壁にそって歩き始めた。

 まずカタズケくんが躓いたのが、部屋の真ん中にある記者の万年床。カタズケくんはただちにフトンを持ち上げて窓を開け、日向に干してバンバン叩いた。それから床に散らかったエロ雑誌、みかんの皮、ゴキブリの死骸、ネズミや蜘蛛の巣、一ヶ月前のトーストの欠片、汚れたパンツを拾い上げ、順番に光センサーで消滅させた。

 「実行」。一つの物体を消滅させるたびに、カタズケくんはそう言って頭をグルッと回し、ピカピカ光った。カタズケくんはそれからバキューム体制に入り、すり切れた絨毯の埃やダニを端から丁寧に吸い取り始めた。タンス等の大型家具も簡単に動かして後部、低部まで綺麗にしている。

 「実行」。カタズケくんはバキュームが終わってから雑巾モードに入り、洗剤を使って拭き掃除を始めた。ゴシゴシ力を入れて、三年越しの食べ汚し、汚物の染みついた床や壁、天井から照明器具まで一生懸命に拭いている。ついでに窓ガラスも綺麗に磨き上げた。「実行」。それが終わるとトイレの掃除だ。気の毒な事に恐ろしく汚れている。アンモニアの臭いも凄い。トイレのドアを開けた途端、カタズケくんは少しひるんだように見えた。しかし、果敢にブラシモードに入り、便器の黄ばみと格闘を始めた。吸盤モードで詰まりも直している。タイルの片隅まで歯ブラシモードを使って丁寧に磨く。

 「実行」。ラベンダーの香りのエアスプレーをかけてトイレ掃除を終えた後、カタズケくんはエネルギーを使い果したように見えた。しかしまだ台所の掃除が残っている。自慢じゃないが怖いように汚れていて、まるで伏魔殿だ。三ヶ月分の洗っていない皿が流しに山積みだし、茶羽ゴキブリが大家族で運動会をしている。鍋という鍋には蓋を開けるのも恐ろしいようなカビや苔が10cmは生え積もっている。換気扇も油汚れでドロドロだ。

 さすがのカタズケくんも台所に足を一歩踏み入れた途端、生気を失ったように見え、何かをしきりにブツブツ言い始めた。よく聞いてみると、

「・・・実行不能」「・・・無理」「・・・駄目」

と言っている。しかし、やがて気を取り直したのか腕まくりをし、椅子の上に登って皿洗いモードに入った。

 しかし、レンジに置きっぱなしの鍋の蓋を空けた時だった。カタズケくんは「うっ」という声を出し、気持ち悪そうに口を手で覆った。そしてそのまま椅子から転げ落ちて気絶した。記者があわててカタズケくんを充電器に運んでバッテリーを充電すると、幸いに5分ほどで正気に戻った。

「大丈夫?」

記者が声をかけると、カタズケくんは、

「・・・実行不能」「・・・無理」「・・・駄目」「・・スミマセン」

とつぶやき、エプロンをはずして記者にペコリとお辞儀をし、充電器を両に抱えて表のドアから静かに出て行った。後でカタズケくんの取り扱い書を読むと、確かに「あまり汚い部屋だと嫌がって逃げる場合もあり」と記してあった。

 

 

 

 


寝たきり動作に成功、人間型ロボットでは世界初:

2002年10月4日

 独立行政法人ロボット技術研究所(茨城県つくば市)と餡田工業(東京都北区)は1 9日、開発中の疑似人間型ロボット「ph−2プロタイプ」(身長160センチ、50キロ)が、世界で初めて「寝たきり」動作に成功したと発表した。

 このロボットはゆっくりとした前屈みの二足歩行も可能だが、一度転ぶと寝たきりになり、二度と一人で起きあがらないという珍しいタイプ。股間におむつをあてると尿状の水分も分泌、スプーンで流動食を口元に持っていくと、すすることもできる。頭部の毛、手足の爪も成長機能があり、伸び過ぎた時は所有者が切ってやる必要がある。特殊な分泌機能で汗もかき、体臭も発するため、三日に一度はぬるめの風呂に入れて洗ってやる事が望ましい。

 目は弱視ぎみで耳も聞こえにくいが言語機能は完璧で、ロボットの方から「すいませんが、〜してくださらんか」と大きな声で随時要求し、要求がかなうと、「ありがとうさんでございます」と丁寧にお辞儀をしてお礼を言う。

 餡田工業ではこのロボットを「ネタキリちゃん」と名付け、一体小売り価格35万円から発売する予定。女性型と男性型の2タイプがある。尚、性格はきわめて穏やかで子供にも優しいが、人間とは茶飲みともだち程度の淡泊なつきあいを好み、ダッチワイフ、またはダッチハズバンドの代替えとしての性的機能は搭載していない。無理な要求をすると、人工心臓が突然ストップする事もあるので扱いには注意が必要との事。

 

 


野菜の新鮮さを見抜くロボット登場:

2002年9月20日
 
 19日、木田技研工業が最新型の家庭用お買い物ロボット「ミヌクちゃん」(本体小売価格45万円)を発表した。ミヌクちゃんは全長80cm、二足歩行型の疑似人間型ロボットで、特殊なデジタルカメラと「主婦業50年のプロ」からサンプルされた頭脳を搭載。人間の目では見えない野菜等の微妙な品質の違いを見極める能力を持ち、店で「一番新鮮で味の良い品」を主婦の代わりに選んでくれるという。

 記者は先日、ミヌクちゃんのサンプル品をメーカーから借り入れ、一緒にアパートの側にある「新中野丸吉スーパー」で夕飯の買い物をする事にした。

「キュウリハイロガコク、イボノトガッタモノガシンセンデス」

ミヌクちゃんが声をかけてきたのは、記者がキュウリを買おうかと三本入りパックを手にとった時だった。「じゃあ選んでくれる?」記者がそう言うと、ミヌクちゃんはじっと記者の顔を見つめ、しばらく躊躇った後、一つのパックを選んでカゴに入れた。

「レタスハスコシカルメノヲカイマショウ。オモイトニガイデス」

「ダイコンハカタチノヨイモノガシンセンデス」

「ハクサイハキリクチガシロク、サワッテミテ、マキガカタイモガヨイ」

 ミヌクちゃんは記者が手に取る野菜ごとにいちいち助言はくれるが、頼むまで決して選んでくれない。値段には敏感で、特売品を選べと助言する事も多かった。

 アパートに帰ってミヌクちゃんの選んだ野菜を確かめて見ると、「一番新鮮で味の良い品」というには味は平凡で、古い物や傷物もまじっている。ミヌクちゃんにそう言うと、再びじっと記者の顔を見つめ、

「ヒトニタヨッテイテハダメデス。ジブンデエラベルヨウドリョクシマショウ」

と言う。さらに、

「サンジュウスギテナニフラフラシテルンダ、ハヤクケッコンシテ、オヤヲアンシンサセテヤリナサイ」

と付け加えた。そんな事までロボットに言われる覚えはないと怒ると、

「スグカットナルカラヨメノモライテガナインダ、ハンセイシロ」

という答えが返ってきた。記者はカッとなり、「ハンセイシロ」と言いながら逃げ回るミヌクちゃんをむりやり押さえつけて背中からバッテリーを抜き出した。
 

 翌日、メーカーに文句を言って返品すると、後日、あれは「ミヌクちゃん」じゃなくて「母心ジョゲンちゃん(本体小売価格15万円)」で、間違えて送ってしまったという詫び状が届いた。


 

 

 


ヤモリの謎を解く:
驚異の吸着力を解明

2002年9月4日

 窓ガラスの上でも滑り落ちることなく、「スパイダーマン」のように吸着力のある手足で自由に動くヤモリ。この謎の吸着力は、分子結合の際に使われる特殊な引力だったことが、米コロンビア大の研究で明らかになり、最近米科学アカデミーに発表された。

 ヤモリは手足の裏側に長さ0・1ミリの剛毛が何百万本も生えており、この剛毛は強い事で知られ、一本で人間の幼児一人を持ち上げる程の耐性を保有するという。研究チームでは、このブラシのような剛毛の先端の様子を、磨き上げた氷の上をヤモリに歩かせて電子顕微鏡で観察する実験で調査。

 研究チームがヤモリ(メス1才)を氷の表面に置くと、ヤモリは最初、慣れない氷の上で戸惑っていたが、やがて落ち着いた表情で演技を始め、まずシングルプログラムでダブルアクセルのコンビネーションをクリア。その後のロングプログラムで両足着地が一度だけあったものの、フィニッシュでは3-3のトリプルアクセルを鮮やかに決め、改心の笑みを浮かべた。

  研究チームは技術面、特にジャンプの難易度に感心しており、このまま実験を続けて次の世界選手権を目指す姿勢でいる。吸着力については、剛毛の先端と接する面の間で分子間力(ファンデルワールス力)が作用している事が判明。滑りやすい氷の表面でも、この引力を利用して自由にジャンプなどの演技ができるという事も証明された。研究チームでは、「この原理を応用して、次のオリンピック出場も可能」と意気込んでいる。(ロイター)


 

 



最古の人類は辛党:

  2002年8月29日

 人類が進化の過程で失った遺伝子が、人類の脳を発達させる“原動力”となった――米ハーバード大などの研究グループが、最近この仮説を全米科学アカデミーに発表した。同グループはさらに、この遺伝子が失われたのが約320万年前と解析し、この遺伝子が糖質の合成にかかわる事から、最初の類人猿が辛党であった事が人間と他の動物の進化を分けたのではないかと見ている。

 この遺伝子が関わる糖質は動物の細胞表面を覆う物の一種と見られ、チンパンジー他、多くの動物がこの遺伝子を持っているが、人間には存在しない。同グループが今回、遺伝子の変化の過程を詳しく調べた結果、この遺伝子が人体で働きを失ったのは正確に320万年前と判明した。

 人類のルーツは、DNA鑑定により約320万年前のアファール猿人(Australopithecus afarensis)にまで遡り、1974年にエチオピアで見つかった最古の同猿人と見られる女性の化石は、「ルーシー」という名で知られている。同グループは、このルーシーさんが辛党であり、糖質を受け付けない体質の持ち主であった事が、この遺伝子を失わせ、人類の脳を急速に発達させる“原動力”となったのではないかと推測、現在、日本酒造組合と協力して調査を急いでいる。

 同グループ日本支部の東大の高山甘介教授(理論集団遺伝学)は、「人類とチンパンジーは共通の祖先から3―400万年前に分かれたとみられるが、遺伝子は98%以上が共通している。辛党と甘党のわずかな違いが両者の進化に大きな差を生んだと言ってよい」と語っている。

 一方、筑波大の伝田辛文教授(遺伝人類学)は、「ルーシーは人類最初に直立二足歩行を試みた猿人でもある。それで背骨に無理な負担がかかり、頚椎に変形が起こって頭痛と肩凝りに悩まされたのではないか。それが酒に走った原因では」と解説している。ルーシーさんは突如として直立二足歩行を始めた所から「変わった猿」、「変猿」と猿族に見られ、仲間はずれにされた傾向が強い。その寂しさを紛らわすためにも酒の力が必要だったのでは、と伝田教授は推測する。

 猿人に酒を造るだけの知恵があったかどうか疑問だし、第一、酒には甘口もあるし糖分も高いと異議を唱える学者もいるが、研究グループは無視を決め込んでいる。
 
 

 
「ルーシーさん」
 

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