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好評連載「歴史の墓穴を掘る」

 
11/1 「路上喫煙、吸い殻ポイ捨て禁止」 9/1〜10/4/2002
11/1 「姥捨て公園」 10/5〜12/1/2002
11/13 「Wノーベル賞 コシバさん、タナカさん対談 12/10〜2/8/2003
10/20拉致者、某国から27年ぶりに帰国」 2/15〜9/30/2003
10/12「旅立ち」
10/10自由海外渡航禁止、独身女性に鎖国令下る」
10/8クワガタ長者路頭に迷う」
10/6PC『不正な処理』勧告で自殺相次ぐ」

路上喫煙、吸い殻ポイ捨て禁止

2002年11月18日


 東京都千代田区で、路上喫煙や吸い殻のポイ捨てを禁じた生活環境条例に基づく過料徴収が始まって二週間。巡回職員が摘発した際、素直に過料2000円のを払う人は少なく、「会社に遅れる」と怒り出す人、注意を無視して逃げ出す人、住所、氏名を忘れたふりをする人、日本語の分からない外国人を装う人などが続出している。

 昨日、秋葉原駅前で信号待ち中に喫煙を摘発された大阪府の男性(52)は、「知らなかった」と大声をあげて泣きだし、巡回職員になだめられながら告知・弁明書にサイン。また、神田駅前で歩きたばこを注意された中野区の男性(36)は、「迷惑な条例。従うつもりはない」とサインを断固拒否。職員から逃げようと赤信号を渡った途端、貨物トラックに衝突し、頭を強く打って即死した。

 

以下が摘発した際の、過料支払い拒否理由ベスト10

1)条例を知らなかった。

2)条例は知っていたが、ここが千代田区だとは知らなかった。

3)ここが千代田区だとは知っていたが、たばこに見えるのは実はチョコレート。

4)チョコレートではなく本物のたばこだが、実は火がついていない。

5)たばこに火はついているが、煙を吐く時は新宿区方面(または台東、文京、港、中央各区)に向かって吐いている。

6)煙は千代田区で吐いているが、実は足(または影、または守護霊)は新宿区(または台東、文京、港、中央各区)との区境上に立っていて、厳密に言うと千代田区にいない。

7)千代田区にいる事はいるが、実はたばこを常に吸わないと生死に関わる異常体質。(診断書らしき物を持参)

8)たばこを常に吸わないと生死に関わる異常体質ではないが、実ハワタシハ外国人デ治外法権デース。(突然、外国語なまりの日本語になる)

9)ワタシハ外国人デハナイガ、実ハワタシハ宇宙人(エイリアン)デ治外法権デース。(声が震え、目がピカピカ光る)

10)ワタシハ宇宙人(エイリアン)デハナイガ、・・・ワタシハイッタイ誰デショウ? トコロデアナタハ神ヲ信ジマスカ? イッショニジョーブツシマセンカ? マカハンニャ〜ハラヘッタ〜ハ〜レ〜ル〜ヤ〜〜♪

 

 

 

 


姥捨て公園

2028年11月15日


  大阪府警旭署は14日、生活に困って介護していた母親を公園に放置したとして、無職、吉田孝容疑者(69)を保護責任者遺棄の疑いで逮捕した。逮捕時、同容疑者は「自分も病身で仕事がなく、母親の医療費が払えなくなり放置した」と話している。調べでは、吉田容疑者は13日午前4時半ごろ、大阪市旭区西のあさひ老人公園で、背中におぶっていた母親のきよさん(98)をベンチに放置して歩き去ったという。通行人が旭署に通報し、自宅で寝ていた同容疑者を問いただしたところ、遺棄を認めたため逮捕した。きよさんはリューマチで手足が不自由な上、3年前からアルツハイマー性の痴呆症も起こしており、旭署の質問に対して、「五族協和、王道楽土」「満州の夕焼けは真っ赤」などと語っている。尚、同公園に捨てられた老人は今年に入って185人目。

  あさひ老人公園は8年前の2020年に建設され、車椅子用の公衆便所、ゲートボール場、民謡、焼き物などを教えるリクリエーション施設や集会所があり、日中は近所の老人たちで満員の賑わい。そのせいか、老人にとって居心地の良い場所であると判断して、養えなくなった両親や祖父母、曾祖父母をこっそり捨てに来る人たちが後を絶たない。近くの旭区立特別福祉シェルターに住む中田きぬ江さん(99)、佐藤やよひさん(110)、山田勝国さん(101)、野中稀介さん(108)らも、子供や親族によって同公園へ捨てられた老人たちだ。

 20年間中風で寝たきりだと言う佐藤やよひさん(110)は、むしろ捨てられた事を喜んでいる様子。「息子も嫁も80過ぎて弱り始め、終戦前後に育った彼らより私の方が根が丈夫。嫁とは50年前から折り合いが悪く、ここ20年間口もきいていない。仏壇の冷や飯を黙って食べさせられるような家には帰りたくない」。車椅子の中田きぬ江さん(99)は、「孫も含めて今の人たちはロボットみたいで、話が通じない。こんな世の中とおさらばしてポックリ死にたい。足腰は弱ったが心臓がしっかりしているのが悔しい」と厭世的。陸軍航空学校出身の元少年飛行兵、山田勝国さん(101)も、「同期の多くは特攻隊で死んだ。私だけこんなに長生きしてしまったが、まさか子供に捨てられる日が来るとは思わなかった」とショックを隠せない。元憲兵だったという姿勢の良い野中稀介さん(108)は、「昔から『楢山伏伝説』など、食い扶持を減らす目的で年老いた親を山に捨てる風習はあった。ただ、最近の日本人には、かつてあった孝養の念が著しく欠けている。学校教育で修身や、祖先の偉行を学ぶ事を否定した弊害ではないか」と語っている。

  「養えなくなったからって捨てるなんてひどい」と、これらの老人たちに同情が集まっているが、急進する社会の超高齢化現象で、70歳以上の老人は全人口の50%(2027年度調査)。国民の二人に一人がお年寄りだ。平均寿命が男女共に95歳を超え、介護する方もされる方も超高齢者という家庭が増えている。全家族が寝たきりで、ロボットに介護されるお年寄り一家、30〜40代の孫が一人で両親(60〜70代)、祖父母(80〜90代)、曾祖父母(100〜110代)を介護する家庭も珍しくない。

  行き場のない老人たちはシェルターに収容されるケースが多いが、旭区立特別福祉シェルターのディレクター、福士実さん(46)によると、全国的に現在200%の満室状況で、ロボットを含め介護者の手も足らず、これ以上の収容は無理。希少な存在の子供と違って老人はそこら中に溢れており、新たな養い主が見つかるケースもほとんどないという。「面倒を見られないと言って捨てたり、シェルターに泣き付く人が多すぎる。安易に他人に押しつけようとするのはあまりにも無責任」。福士さん自身も一人っ子で三世代の親を抱え、国の福祉が手詰まりな事は肌身に感じている。ネットで各地の姥捨て場の情報が行き交う中、都道府県レベルでの抜本的な医療福祉対策が必要だという。

  ほとんど死語に近い、「親孝行」という古来の思想を呼び戻す必要があるという意見を取り入れ、文科省では来年度から道徳教育に儒教倫理の時間を設ける予定。「父母ニ孝」を重視した教育勅語を小学生から斉唱させ、儒教徳目では「忠義と孝行」をメインに、「五倫−父子有親、君臣友義、夫婦有別、長幼有序、朋友有信」「五常−仁、義、礼、智、信」などを説いていく予定。右翼思想につながり危険だという批判も朝日新聞社や一部左翼系団体から出ているが、最近の姥捨てブームに歯止めをかけるためにも止むを得ないというのが政府の見解だ。

 

 

 

 

 


Wノーベル賞 コシバさん、タナカさん対談

2002年11月13日


 ノーベル賞を今年、ダブル受賞することになった化学賞のタナカ・コーイチ鳥頭製作所ライフサイエンス研究所主任(43)と、物理学賞のコシバ・マサトシ灯大名誉教授(76)が十日午後、対談した。対談は午後3時から始まり、進行役を朝日昇・毎嘘タイムズ東京本社編集局長が務めた。

  コシバさんとタナカさんは歩み寄って握手。顔は合わせていたが、じっくり話をするのは初めてで、「楽しみにしていました」と声を掛け合った。二人はすぐにうち解けて受賞を喜び合い、常識外れや変人だったことが輝かしい栄誉につながったことなどを語り合った。

  コシバさんは4億円をかかったカミヲカンデの構想について、「陽子崩壊発見のギャンブルに血税を使ったので、予算要求の言い訳のつもりで『ニュードミノも観測可能』と書いたが、本当に超新星爆発が起きた時はタメゴローよりビックリした」、と親父ギャグを放った。

 話題は12月の授賞式にも及び、タナカさんが「燕尾服なんて七五三以来」と不安がると、コシバさんも「久しぶりに燕尾服を着たらおなかが出っ張っててビロ〜ン!」、と親父ギャグをかまし続けて座を沸かせた。

写真=対談する、タナカ・コーイチ主任とコシバ・マサトシ灯大名誉教授(東京・毎嘘タイムズ東京本社で)

 

以下が対談の詳細。

タナカ・コーイチ主任(以下タナカ):先生の受賞を聞き、日本にものすごい人がいるんだなと思った。まさか、その翌日、自分に来るとは驚きました。

コシバ・マサトシ灯大名誉教授(以下コシバ):いやあ、さすがです。あなたのように若い人でもノーベル賞 はちゃんと認めてくれる。よく調べてるもんです。

タナカ:変人で常識を知らなかったのが良かったんでしょうか。しかし私程度の変人がもらえるなら、日本で何千人が受賞してもいいんじゃないかと・・・

コシバ:(笑)ハッハッハ、そんなに謙遜する事ないですよ。

タナカ:・・・でも私程度の変人なんて、ホントにどこにでも。

コシバ:(笑)ハッハッハ、謙遜する事ないって! あんたは飛び抜けた変人なんですよ。

タナカ:・・・そんなに変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、当然です!

タナカ:・・・考え事をしていると、つい後ろ向きにスキップしてしまうのは変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、もちろんです!

タナカ:・・・パソコンにウイルスが感染した時、塩を撒いて悪霊退散のお札を部屋中に貼るのは変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、変わってます!

タナカ:・・・電話が鳴ると辺りを見回し、『ここはどこ? 私は誰?』と叫んでしまうのは変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、かなりのもんです!

タナカ:・・・汲み取り式の便所で『ひなげしの花』を大声で歌わないと大の方ができないというのは、やっぱり変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、アグネス、ポッチャ〜ン!

タナカ:・・・両腕をパタパタさせて『ようこそここっへ、クックックックッ』と言いながら神社で地面の豆をついばんでしまうのは、変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、ズンコで〜す!(指で片方の鼻の穴をふさぐ)

タナカ:・・・自分を『エイトマン』だと思いこみ、弾よりも早く走ろうと電車やバスと競争してしまうのは変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、エイトマ〜ン!(走るポーズ)

タナカ:・・・会社で実験中に、突然マイケルジャクソンの真似して背中でクルクル回るのはやっぱり変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、スリラ〜♪ HO!(つま先立ちしてムーンウォークを始める)

タナカ:・・・妻とする時、妻にミッキーマウスの縫いぐるみを着てもらい、『ディズニーランドへようこそ!』と首をかしげて可愛い声で言ってもらわないとできないのは、やっぱり変人ですかね?

コシバ:(笑)ハッハッハ、ここは〜ゆめの〜くに〜すてきなせかい〜♪(踊り出す)

タナカ:・・・妻に手足を荒縄で縛られ、天井から裸で逆さ吊りにされて蝋燭を尻にたらしてもらわないと熟睡できないのは、やっぱり変人ですかね?

コシバ:(真面目な顔)それは変態です。

タナカ:・・・分かりました。私はやっぱり変わった人間だったんだ。

コシバ:(笑)ハッハッハ、(体を乗り出して)じゃあ今度は私の番ですがね・・・

 

 

 (笑)ハッハッハ」

 

 


拉致者、某国から27年ぶりに帰国、記者会見の模様

2002年10月20日


  27年もたつと日本も変わるもんですね金髪の若人が実にイマい! いや、私もナウなヤングな頃はイカすデスコでフィバったもんですよ。(トラボルタのポーズ)いや、とんでもハップン歩いて5分、私は全然モテモテじゃなかった。でもバリバリにのってたんです。イヨッ、待ってました大統領!てなもんです。

 当時の私の彼女はハクいボインで由美かおるにウリ二つ、ホットパンツの似合うトランジスタ・グラマーでした。ホ、ホントですよ!インディアン嘘つかなーい。私は歌舞伎町の『クレージーホース』で彼女を一目見て鼻血ブー、『アサーッ!』ってな勢いでハートをキャッチ。やったぜベイビーでハッスルしまくりましたよ。えっ? 由美かおるさんて今でも現役でヌードやってるんですか? ・・・そりゃアッと驚くタメゴローですね。インド人もびっくり!

 えっ、話がピーマンだって? モチのロン、私はイカレポンチのカッペでして、昔は都会のヤングレディーと話ができなくてね。これでも随分苦労してテレビの流行語を身につけたんですよ、ええ。彼女とのランデブーは大久保の連れ込み宿がほとんどでした。『オー、モーレツ!』でドンピシャリです。彼女が私に『3分間待つのだぞ』、なんちゃって時もありましたけど。ガチョーン! ははは・・・アタリ前田のクラッカーです。

 そのうちゲバゲバ・ピーッで金がなくなって、彼女は『バッハッハーイ』と去って行きました。トッポいケロンパの私も、『なんじゃらホイ、許してチョンマゲ』と彼女にすがりつきましたがダメでした。『シェー!』(シェーのポーズ)。その後しばらく日活のお世話になったり吉原のトルコ風呂に通ったり ・・・あ、時間ですか、はい、じゃあ私はここらでドロン(忍者のポーズ)します。しかし日本語って変わるもんですね。今のヤングの話が今一つ理解できなくて・・・国語が乱れているのでしょうか? ちょっと心配です。

 

 

 

 


旅立ち

2002年10月12日


「バンザーイ、バンザーイ」。昨日の朝、埼玉県の川越市内にある高田忍さん(24)の自宅の周りには、親戚、知人約五十人が集まり、壇上に立つ高田さんへの歓呼の声がこだました。

「行って参ります」

 幼さの残る頬を染めた高田さんは人々に深く礼をし、その後晴れ晴れとした表情で微笑んだ。すべてを捨て去った者だけが得られるような爽やかな笑顔だった。群衆の影に立つ小柄な高田さんの母親、一江さん(51)は、そんな息子の晴れ姿にこぼれる涙を抑えようと必死だった。

仕事の為に、あんなにも健気に征く息子を母の私がなぜ涙で送られましょう。あの子の気持ちを重んじて、『此の度の御奉公こそ、この世に生まれて来た忍の使命であったのだ』と思おうと、何度も自分に言い聞かせたのです」

 知性、体力、人柄等、社内審査で一番の好成績を収めて今回のプロジェクトに抜粋された高田さんは、幼くして父を病に亡くし、母と二人で寄り添うように生きてきた。そんな彼が大事な母親を後に残して、今度の任務に就くまでにはどれほどの葛藤があった事だろう。

「大命の 戦士とならん 我が子なり 母の涙は絶えざりしとも」

高田さんの出発の際に一江さんの読んだ歌である。前夜は二人で枕を並べ、深夜までさまざまな思い出話をしたそうだ。その中で忍ぶさんが、

「お母ちゃんはあの世があると思う?」

と聞いたという。日頃から仏教に帰依の深い一江さんが、当然死後の世界を信じていると言うと、

「もし自分に何かあっても、お母ちゃんがそう思っていてくれたら安心して征ける」、

高田さんはそう答えた。

 午後2時50分、さっぱりと整髪し、スーツから下着まで新しい物に着替えた高田さんは、都内にある帝国スクリーン製造、本社一階ショールームに姿を現した。そこには、すでに約100名の社員とマスコミ関係者50名が高田さんの来るのを拍手で待ちかまえていた。高田さんに思いを寄せていたのだろうか? すすり泣いている女性社員も幾人か見受けられる。

「心の準備はいいか?」

3時きっかりに高田さんの直接の上司、企画マーケティング部の山田孝夫課長(46)が声をかけた。

「はい」

高田さんははっきりとした口調で返事をし、新調のブルックスブラザーズの靴を履いたままフロアの大型スキャナーにうつぶせに横たわった。高田さんの体の上にゆっくりと軽合金のカバーが被せられた。

 技術スタッフによってスイッチが押され、スキャナーは黄緑色の殲滅する光線をチカチカと放ち始めた。ウィーン・・・ 作動が始まった。ジー〜〜〜〜〜〜・・・大音響と共にスキャナー自体が七色の光に包まれ、部屋全体に機械の絶え間ない震動が伝わり始めた。

 

  この記念すべき午後、人間を丸ごとコピーして等身大3Dコピーを作成する世界初の大型コピー機、「ヒト・オリジネーター」の生体実験が成功した。高田さんのコピーは今、生まれたばかりの赤ん坊のような無心の表情で周囲の人々を眺めている。オリジナルに比べて少し輪郭がぼやけてはいるが、コピーとしてはかなりの高品質だ。残念な事にオリジナルの高田さんの方は機械の出力に耐えられず、帰らぬ人となった。

 尚、帝国スクリーン製造は今後スキャナーの安全性などの問題点を克服し、イベント企画会社とタイアップして「ヒト・オリジネーター」のレンタル事業を展開していく予定。「将来的には等身大3Dコピーを家庭でも気軽に作れるような事業に参入したい」とコメントして いる。

 

 

 


自由海外渡航禁止、独身女性に鎖国令下る

2002年10月10日

           
「やだー」「どーしてよー」「政府のばかー」成田空港国際線ゲートで
旅姿の若い女性たちが空港係員に力づくで押し戻され、悔し涙をこぼしている。彼女たちは正規の航空券を持ち、10年有効のパスポートも保持。旅行資金も十分なほど貯めている。しかしゲートをくぐって国際線の搭乗口に達する事は、36歳の誕生日が来るまで待たねばならないのだ。

 80年代以降、日本人の海外旅行が増えるにつれ、日本人女性が海外で人気沸騰、国際結婚の激増の他、外人とセックスする機会が増え、それと反比例して国内の日本人男性のセックスの機会は激減。使用する機会の乏しい男性の性機能は衰退の一方を辿り、精子数も大幅に減少。それが近年の出生率低下の第一要因となっていた事が、昨年、出生率増加緊急対策本部の調べで判明した。政府は強行対策として18歳から35歳までの独身女性の海外渡航を一切禁止する「独身女性鎖国令」を国会に提訴。先日、満場一致で可決され、昨日付けで執行された。

 この法令の対象となるのは、あくまで18歳から35歳までの出産適齢期の独身女性。対象者であっても日本国籍の男性と結婚し、子供を一人以上生んだ時点で条例の対象を解除され、出産後の離婚は本人の自由。子供を生まない場合は、既婚者でも対象のままだという。尚、現時点で海外在住の対象者には特別帰国令が発令され、発令後一ヶ月以内に帰国しない者には国籍剥奪、国内在住の親族への懲罰が課されるという。

 政府はまた、独身女性に独身の息子のいる寒村農家での住み込み、農作業従事を奨励。半年続けるごとに赤丸スタンプが一つ貰え、スタンプが3つ貯まると鎖国令執行年枠が一年間短縮される。その農家の息子と結婚した者には赤丸ボーナス「コトブキ賞」として百万円、子供を出産した者には大当たりボーナス「よくできました賞」として三百万円が支給される。

 日本の人口は1998年を境に減少の一歩を辿り、100年後には現在の半分以下となると予想されており、国力衰退を憂う国民から抜本的な対策が求められていた。この法令は日本人女性の海外流出をストップし、出生率を上昇させ、超高齢超少子化社会を回避し、農家の嫁不足問題を解消するものとして、政治家、地方行政者間に高い評価を得ている。しかしその一方で、海外旅行や留学の自由を奪われ、国内での結婚や出産、慣れない農作業を奨励される若い女性たちの怒りは凄まじい。

「私の夢は終わりました。まさか今時こんな江戸時代みたいな法律が発令されるなんて嘘みたい」国際線ゲート前で山田恵理さん(25)は呆然と佇んだ。ハーバード大学でMBAの修士号を取り、ウォールストリートの金融企業でキャリアを積む事は山田さんの子供の頃からの夢だった。3年前に東大経済学部を卒業後、外資系銀行に総合職で就職。最近ハーバードのビジネススクールから合格通知を受け取り、来夏の入学準備に同大の語学学校に旅立つ所だったという。
 
 麦藁帽子にバックパック、草履姿の小池由美さん(21)も怒りで頬を紅潮させる。アジアの辺境をぶらりと一人旅するのが大好きな小池さんは、大学の休みごとにアルバイトに精を出し、今日もネパール方面に旅立とうと空港にやって来た所を係員に腕ずくで阻止された。「いったい、どうなってるんですか、この国は? 北朝鮮やタリバンも真っ青じゃないですか」小池さんは、その足で上野駅に戻り、東北の寒村農家に旅立った。

 新婚旅行にハワイに旅立とうとした田中和夫さん(32)の妻、真理子さん(24)も、同様にゲートを越える事ができない。「子供ができるまでって、もしできなかったら36歳になるまで鎖国ですか? 誰が子供ができるって保証してくれるんですか? できなかったら人工授精の費用は政府が負担してくれるんですか?」真っ白のスーツ姿に花束を抱えた真理子さんは、夫の和夫さんの腕に泣き崩れた。

 タイの白い砂浜でのビーチセックスが大好きという可能恭子さん(28)は、少泉内閣に対して殺意も感じていると言う。「だいたい日本女性が海外でセクースするようになったのは、日本の男のセクースに魅力がないからじゃないですか。南の島には素晴らしいテクニークを持ったスマートなビーチボーイがヴェリイ山ほどいるんですよ。バリでも、プーケットでも、ジャマイカでも、エーゲ海でもです。日本女性のフリーダムを迫害する前に、何で政府はレイジーな男どもをエジュケイトしないんでしょう?」

  芸能界にも海外通が多く、法令が出た途端大騒ぎとなった。最近、19歳で電撃結婚した唄田イカルは、来年の全米デビューに向けて出産準備に入っていると噂され、今年アメリカデビューした編路南無恵はすでに若年出産しており、ハンデをクリア。35回目のアメリカ進出をもくろむ竹田聖子・SAKAYA母娘は40歳と15歳で問題なく渡航が可能。ハリウッド進出を夢見る女優の菊皮霊は、さっそく見合いサイトに登録したという。芸能界では今後十代を中心とした空前の若年結婚・出産ブーム到来が予想され、一般にも波及すると見てブライダル、及びベビー用品業界は笑いが止まらない。

 識者の間では、今後増えると予想される海外渡航目的の結婚と出産、その後の育児放棄、子供の虐待を心配する声が高い。また、外国人男性との国際結婚による日本国籍放棄も急増すると予想され、入国審査が極端に厳しくなる模様。島根県と鹿児島県庁はすでに女性県民の外国人との婚姻届を受領しないと決議。外国人男性と一緒に道を歩いているだけで警察署に任意同行される可能性も高い。

 尚、難民ボートによる独身女性の台湾や韓国、ハバロフスク、北方領土への亡命を防ぐため、防衛庁は昨日付けで国内各港に特別厳戒体制を発令。すでに沖縄、西表島で昨夜、手作りの筏による台湾への脱出を試みた大阪府の女性(27)が検挙されている。

 

 


第25回嘘競演出品作品、お題『自由』

 
 
 


クワガタ長者路頭に迷う。バブル崩壊で行き場なし

2002年10月8日


 数年前からバブルをおう歌していた「クワガタ長者」に大きなデフレの波が押し寄せている。かつては1億円の年収のあった人間サイズの外国産オオクワガタが、養殖技術の発達で増えすぎ、希少価値でなくなったのだ。彼らの年収は今や往時の1万分の1まで急降下しているという。

 ネパールやブータンから新着した人気のピーク時、銀座や赤坂のナイトクラブで美人ホステスに取り囲まれ、最高級シャンパンの「ドンペリニョン」や、一本八十万円もする最高級ブランデーの「ヘネシー・リシャール」を一晩で何本も開けるクワガタ長者たちがいた。6本の足様に特注したダブルのスーツの懐に1万円の札束を無造作につっこみ、ホステスにまき散らしていたオオクワガタがいたかと思えば、吉野屋で牛丼を食べた後、財布から現金10万円を出してカウンターに叩き付け、周りの客を唖然させたヒラタクワガタがいたものだ。

 その中でも筆頭の人気だったのは、身長180cm、体重75kgの黒光りする超大型クワガタ、『ジャンボ・アンタエウス』の一種、アンタ・エイタさん(4)だ。磨き抜いた黒曜石のような角を持った精悍なエイタさんは、一昨年の夏にネパールの山岳地方から来日。故国では地味に山林業に従事していたと言うが、たまたま知り合った日本人のプロモーターに「日本に行けば稼げる」と勧められ、妻子を置いて単身出稼ぎに来たのだ。

 それが成田空港に着いた途端、日本初の『ジャンボ・アンタエウス』来日だと大騒ぎ。昆虫マニアの子供のみならず、かつての昆虫少年の中年男性、ミーハーの若い女性にまでキャーキャーと追いかけ回された。連日連夜テレビや雑誌でのインタビューが続き、メンズファッションのモデルにまでされ、所属プロダクションの方針で「カブト音頭」や「カブトのブルース」のCDを吹き込み、あげくは「カブトUSA」というロックまで振り付け入りでテレビで歌わされた。昨年は渋谷の松涛に庭付き一戸建て、東京港区白金台には億ションを購入し、車は運転手付きのフェラーリにロールスロイス、ポルシェににベンツを保有。銀座、 赤坂、六本木のクラブでは「クワガタ帝王」と異名され、人気タレントの藤原海苔香とも交際、世界初の異種間結婚も間近とも言われていた。故郷の妻とは離婚話が進んでいたという。

 それが今年になった途端、すべてが崩壊した。収入がガタ落ちなのはもちろん、マスコミの仕事がまず来なくなった。松涛の自宅や億ションのローンも残っており、銀行との資金繰りがつかず、エイタさんはホームレスになるのかと途方にくれているという。生活が苦しくなるにつれ、あれほど熱烈な仲だった海苔香との仲も暗礁に乗り上げ、異種間結婚の可能性は消えたと見られている。エイタさんは、今真剣に故郷に帰る事を考えているという。山育ちのエイタさんには、すべてが急激に変化する日本の社会にはとても付いて行けないそうだ。しかしその前に、億ションと自宅の買い手を捜すという大仕事が待っている。 

 最近、日本で生まれた「ジャンボ・アンタエウス」種の青年、アンタ・エースケさん(三ヶ月)も愚痴をこぼす。人工的に繁殖させられた彼には両親が誰かも分からない。街を歩いても、電車に乗っても人間からは冷たい目で見られる事が多くなった。小学校も出ておらず、パソコンどころかひらがな・カタカナもろくに書けない彼には、工事現場でブルドーザー代わりとして働く以外に就職口も見つかりそうにない。レストランやクラブに入ろうとしても、「雰囲気が壊れる」「クワガタお断り」と冷たく拒否されるという。日本語しか話せぬエースケさんも、近々まだ見ぬ故国、ネパールの山へ帰る事を計画している。

 東京・中野の昆虫専門店「インセクト」の虫田治虫店長も、「今までは『クワガタバブル』だった。しかし、カワラタケの菌糸を使って幼虫を育てる繁殖法が確立され、大量供給され始めたことから外国産オオクワガタの価値は一気に下がった」と語る。「クワガタを100つがい輸入すれば、翌年にはその子供が1万匹になり、ネズミ算の勢いで増えていく。今のうちに何とか手を打たない限り、日本の街中が大型クワガタで埋まる事になるだろう」虫田さんは真剣な表情でそう付け加えた。

 

 

 

 

 


PC『不正な処理』勧告で自殺相次ぐ

2002年10月6日


 「娘を返せ」清川澄江さん(68)は今日もマイクラソフト日本支社の門前で叫んでいる。都内に住む清川さんの娘、正田直子さん(41)は三ヶ月前にPCを使用中、「このプログラムは不正な処理を行ったために強制終了します」というダイアローグボックスに遭遇し、苦にしたあまり自ら命を絶ったという。

 夫の失職、息子の非行、娘のひきこもり、寝たきりの義母の介護と、正田さんを悩ませる事は多かったらしい。しかし、インターネットに最後の救いを求めてPCを開けた途端、例の「不正な処理」の陰気なメッセージの洗礼を受け、取り乱した正田さんは自宅の7階ベランダから衝動的に飛び降りたそうだ。遺書には、「『不正な処理』に負けました」と一言だけ書かれていた。

 神戸市灘区の女子高生、小川真美さん(17)も「不正な処理」を悲観して自殺した一人。良子さんの母、良子さん(46)は涙で声をつまらせながら語る。「あの子は気持ちの優しい良い子だったんです。あの日PCさえ使わなければこんな事にはならなかった」。 それは真美さんが中間テストで数学の赤点を取り、憧れていたクラブの先輩に彼女がいると知って落ち込んでいた日だった。ネットでチャットしようとPCを立ち上げた真美さんの前に、「このプログラムは不正な処理を行ったために強制終了します」の黒雲が現れた。「『不正な処理』ってひどい」。一言書かれた遺書を残して真美さんは自室で首をつった。

 マイクラソフト社は事実関係を否定しているが、ウインドウズ発売開始から「あれを見てがっくりきた」「今までの人生を否定されたような気がした」「人間としての尊厳を失った気がする」というユーザーからの苦情は続出していた。「不正な処理」に纏わる自殺は総計125件、今年になって25件目を数え、そもそも不正な処理を行ったのはプログラム自体であり、なぜ罪のないユーザーが責められるのか不明瞭な部分も問題視されていた。

 マイクラソフト側も少しは批判を考慮したらしく、来年発売予定の「日本語版ウインドウズ2003」では、「不正な処理」の代わりに、ボイスメッセージを採用。メッセージには、関西コミック版(明石屋さんまの声)「すいまへん。ついまちごて処理してしもた。堪忍しておくれやっしゃ」、ロリコン版(モー娘の声)「エヘッ♪ またやっちゃった〜。ゴ・メ・ン・ネ!」、ホストクラブ版(福山雅治、または英語版ブラピの声)「貴方の美しさについ間違って処理してしまった。罪な人だ」、の3タイプがあり、ユーザーが好みで選べるようになっている。

 

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